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女子高生ミナの部屋に猫神さまが居候することになって、はじめての週末。
猫神さまがミナを外に連れ出そうとしていた。
それでは、はりきって行きましょう。出発ッ!
え~、なに?どこに行くの?
学校の宿題、手伝うにゃ
え、本当にやってくれるんでしょ~ね??(疑)ミナが猫神さまと一緒に歩いていくと、そこには……

到着ッ!ボクのおすすめは、ここ。旧亀岡家住宅だよ
この建物?めっちゃデカくない?建物を見上げるふたりに、声をかけてきてくれたのは、
保原歴史文化資料館の職員・三品(ミシナ)さんだった。
あら、見学の方ですか?こんにちは
そうです。こんにちは
え、猫がしゃべっても驚かない、猫神さまいけるんだ
よかったら案内しましょうか?
あ、ハイ、お、お願いします!長いすべり台で子どもたちに人気の保原総合公園の一角に建つ
この大きな建物の中に案内されると…
ここ旧亀岡家住宅が建てられたのは、明治37年、西暦1904年なんです
えっ、120年以上も前?
そうです。建てたのは、亀岡正元さんといって “蚕種(さんしゅ)業”で、財を築いた人なんですよ
財ってお金?そんなガチですごい建物なんだ~
やった!ミナ、行くよ
ヤバっ!ひろい!
これは“擬洋風”と言って、幕末から明治にかけて、日本人が西洋建築を真似て造った建物なんです。だから、外観は洋風なのに、なかは日本の伝統的な様式で造られているんですよ
なんか不思議~!
ミナの部屋より、住みやすそうだな~
この部屋は洋室?
おお!カッコイイ
この旧亀岡家住宅は、縁起をかついだ意匠(いしょう)……つまりデザインをいろいろ取り入れているのが特徴です。建てた当時のままの状態で残っている貴重な建物なんですよ
例えばこれ。縁起の良い“亀”のデザインが、床の間(とこのま)にはめ込まれています。亀岡家の“亀”でもありますしね
ホントだ!亀だ~!
亀のモチーフは、この建物のなかにたくさんいますよ。見学しながら探してみてくださいね
何匹いるのかにゃ~?
この廊下の角を見てください。これは床板を、扇(おうぎ)のかたちに敷くことによって、『行き止まらない』ようにと願いを込めたようです
そっか~。亀に扇…細かいとこまでスゴいなあ。
大工さん、すごい!
あと、こちらの3階に昇る階段には、柿の木が彫られているんですけど、これには『財をかき(柿)集める』という意味があるんですよ
え?まさかの、ダジャレ好き(笑)
お金持ちのすることってハンパない!…あ、ミナの話し方がうつった(汗)
こちら正面玄関の広間です。天井に節(ふし)がいっぱいあるのがわかりますか?
節って、あの黒いやつ?
これは『銭天井(ぜにてんじょう)』といって、節を大判小判に例えているんです。その“銭”があられのように降ってくるという縁起物で、ここにいるとお金持ちになれるみたいですよ
お金が降ってくるとか、夢だわ~!
この家を訪れる人みんなに、この『銭あられ』の恩恵があればと、玄関につくったのかもしれないですね
ボクも、大判小判をたくさん浴びたいにゃ~
猫神さま、意外と欲深い…?マジで『猫に小判』(笑)!
ミナ、今なんか失礼なこと考えた?
ううん…(笑)
ちなみにこの建物は当時で約18万円、現在の金額にすると20億円以上をかけて造られたと言われています
ヤバっ、大金持ち!
ほかにも見どころはたくさんあるので、また来てくださいね
今日は案内してもらって、ありがとうございました!
お金持ちになるために、また来るにゃ旧亀岡家住宅からの帰り道……
亀岡家って、伊達地方の養蚕がめちゃくちゃスゴかった!ってことがわかる、建物だったね~。でもさ、カイコと猫神さまって、どんな関係があるの?
カイコはネズミに食べられちゃうから、それを猫が守っていたんだよ。
おー!猫ちゃんたち、マジでやるじゃん
えへん!それで、養蚕に関わる人たちから、猫が尊いものとして信仰されて、猫神さまが誕生したってわけ
え、そうなの?全然知らなかった。だから猫神さまのおすすめだったんだね!
そもそも、この伊達地方が、ボク、猫神と縁が深いのは、昔から養蚕(ようさん)が盛んだったから。伊達のカイコと絹は、とくに江戸時代から近代まで、品質がとても良いと全国でも大評判だったんだよ
伊達地方のこと、分かったかにゃ?
うんっ!今日はホントにありがと~。これで学校の宿題もなんとかなりそう!
え、まだまだ地元のスゴイところがいっぱいあるけど…?
え~、なになに?教えて、猫神さま~~!?こうしてミナと猫神さまの伊達の面白スポットめぐりは、つづくのだった。
【旧亀岡家住宅】
明治37年(1904年)頃に建てられた「擬洋風建築」。もともと伊達郡桑折町伊達崎にあったが、昭和611986年)に解体格納され、平成7年(1995年)に保原総合公園内の現在地に移築復元された。平成28年(2016年)に国指定重要文化財(建造物)となった。
隣接する「伊達市保原歴史文化資料館」が管理運営を行っている。資料館の入館料のみで「旧亀岡家住宅」の見学も可能。事前に予約すれば、学芸員による解説付き案内も受けられる。
建築主:亀岡正元
設計:江川三郎八
棟梁:小笠原國太郎
所在地 福島県伊達市保原町大泉字宮脇265番地
1階:和室8つ、洋間1つ、井戸、炊事場、トイレ等
2階:和室6つ 3階:展望室(立入禁止)
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